話うまいなぁ
こんな長い文章読む気しないって思って読み始めてみたら面白くて最後まで読んじゃうかんじ
同じことが起こってもこんなに面白く話せる気はまったくしない
2013年07月01日放送の「伊集院光 深夜の馬鹿力」にて、航空会社・スカイマークへの疑問を呈していた。
伊集院光「とある飛行機会社への文句をスゲェ言いたい。スカイマークなんですけど(笑)もうこぼれ始めちゃってますけどね(笑)いや、文句じゃないんですよ。『これってどうなの?』って話をスゲェしたい。そして、しますが」
「木曜日の昼間まで、九州に旅行に行ってて、福岡から帰ってきたんですよ。その時使ってたのが、スカイマークエアラインなんですけど。元々の、僕のスカイマークエアラインに対するスタンスは、格安でJALとかANAとかよりは、格安の飛行機会社ってことなんですけどね」
「元々、決まりに厳しいというか。厳しいところが、そこが俺は好きで。たとえば、チケットとって座席指定をして、飛行機が今から出ますよってときになって、結構、こない客っているんですよ。遅れてくる客っていうのが。その『遅れてくる客は、置いていきます』っていう」
「他の航空会社とかは、意外にその客を待ち続けたりとかして、飛行機の時間が遅れたりすることありますけど、『ウチは○分前ってチケットに書いてありますし、その時点で居なかったら、置いていきます』っていうルールが一時期、物議を醸したことはあったけど」
「あと、機内のサービスに関しても、『クレーマーみたいな人のせいでフライトに支障が出るってことはイヤだから、抗議も受け付けません』って言って、物議を醸したことはあったけど、俺は基本的にそれでいいじゃん、遅れる奴が悪いじゃんって思ってます」
「そういうスタンスも理解したつもりでスカイマーク乗ったんですけど。最初にネット予約してカウンター行って、『座席どうしますか?』って言われたから、『どういうことですか?』って言ったら、『窓側がいいですか、通路側がいいですか?』っていうから、俺は太ってるから窓側に行くと、どんどん飛行機が曲がっていっちゃうから(笑)それはちょっと悪いなって思うから、『通路側で』って言ったら、『通路側は今、一番前の席しかないです』っていわれて」
「『一番前の席だと、なんか問題あります?』って訊いたら、『一番前の席は、自分の前の床に物を置くことができません』って言われて。『手荷物を全部棚に入れていただく必要があります』って言われて。『それ以外に、何もないんですよね?だったら良いです』って言って」
「その後、カミさんに何かおみやげでも買っていこうかなって思って、空港の売り場の中にプリンが売ってて。それを買ってって。ついてはカミさんに羽田まで迎えに来てって言ってるから、カミさんにプリンを買っていって、ご機嫌をとろうと思って。プリン2 個買って。飛行機に乗り込みに行くわけですよ」
「今から飛行機の中にご案内します、みたいなことになって。小さいお子さんがいたり、助けが必要な人は先に、って言うでしょ?それかあr奥の席からどんどん行くんですけど。俺は一番前の席の通路側ってことは、一番最後に乗らなきゃいけないじゃないですか。それで乗って、上の棚のところに乗せようと思ったら、キャビンアテンダントさんが俺の手荷物の○○プリンって袋を見て、『それプリンですよね?』って訊かれて」「『プリンってことは、保冷剤入ってますよね?』って言うのね。『多分、入ってるんじゃないですか?』って、見たら、入ってて。『保冷剤の入っているものは、上の棚に置けないルールです』っていうのね」
「『さっき訊いたら、一番前は、床に何も置けないって言われたけど』って言ったら、『はい』って。『じゃあ、これどうしたらいいんですか?』って訊いたら、『ずっと持っててください』って。福岡から、羽田までずっと持っててくださいっていうのね。プリンを。ずっとだよ?(笑)」
「ちょっと笑っちゃって、『プリンを福岡から羽田まで、1時間40分の間、ずっとこうやって持って座ってるんですか?』って言ったら、『はい』って(笑)『ちょっと待って。その件は全く聞いてないけど』って言ったら、『ずっと機内でアナウンスを入れております』っていうのね。機内でアナウンスされても、機内でプリン買ってないから」
「『たしかに僕は、乗る前のチェックインカウンターでは、荷物を全部あげなければいけませんってデメリットは聞きました。それをOKしました。その後にプリンを買ってここに乗るまで、保冷剤の入ってるものを棚に乗せられませんってことは知りません。ここに来て、そうなるっていうのを、どこでそれを知ればいいのかが…』って言って」
「ルールだったら、ルールで言ってくれれば守る。それでいて、たとえばプリンが買いづらいエアラインだっていうことだったり、他のエアラインでもプリンが買えないのかが分からないからアレですけど、それが明記されてたら、守るか乗らないかを決める、それについては従うタイプです」
「自分擁護のためにどれくらい従う人かって例を挙げますよ。どれくらい融通が効かないバカかってことを言いたいんですけどね(笑)」
「その前の日、小倉から博多に移動してるんです。小倉から折りたたみ自転車を持って博多行きの新幹線乗ったんです。新幹線で自由席買って、通路のところに居たんです。そしたら、意外に人がそこを通るんで、僕の自転車がご迷惑がかかるってことで、始まって10数分経ったところで、すぐ横の車両の一番端に詰めて、その前の席に座って。そこがグリーン車だったんです」
「前から僕のところを車掌さんが通りすぎようとする。車掌さんは10数分経ってるから、小倉からチケットチェックは終わって引き返しているようなんだけど、『車掌さんすみませんグリーン券を買います』と」
「『自由席券で乗ってるんですけど、グリーン車にここから乗りますんで、小倉-博多間のグリーン券と指定券をください』って言ったら、車掌さんが苦笑いして『もう10分経っちゃってるんで、どうしようかな』って(笑)『決まりなんで、買わせていただかないと気持ち悪いんで』って。車掌さんからしてみたら、チェックも面倒くさいんだと思うんだけどね、一段落ついて、終点を迎えるから。『すみませんが、ルールですから!』って言うくらい、気持ち悪いんですよ、僕は(笑)」
「飛行機に話戻しますけどね。隣が空いてたんで、『隣の席に置いていいですか?』って言ったら、そのキャビンアテンダントさんが『そこに置く場合は、一座席分、お金をちょうだいします』って言うのね。それで、この辺りで人としては間違い始めるんです。ルールバカとして『わかりました。プリンを2つ置くために、1万8千円払います』って言って。引っ込みがつかなくなってるから」
「だけど、『その席を買うには前のカウンターでやっていただけないと…』っていうんですよ。『いや、ルールなら席の分の料金は払わせてもらう』って僕は言ってて。その対応してくれてたのが、若い男のキャビンアテンダントさんだったんだけど、揉めてたらもう一人のキャビンアテンダントの方が来て。偉いキャビンアテンダントの方だと思うんですけど、『ちょっと…何揉めてるの?』ってことで来て」
「その人が言うには、『わかりました。特別に今回は無料で結構です。次回から気をつけてください』っていうのね。そこでおそらく、第何個目かの俺の中での大事なヤツがブチって言っちゃって。『いや、結構です。僕は特別にはしていただなかなくて結構です。特別扱いなんかされたくないです。おそらく、今はクレーマーに対する処理としてなさってると思いますけど、僕は恩恵を一切受けたくないです』ってなっちゃって」
「そしたら、『フライトが近づいておりますので、細かい説明は上空で致します』っていうのね。俺のプリンを無理やり真ん中の席に置いて、プリンの箱の取っ手の部分に、シートベルトをつけて結ぶわけ。それで行こうとするわけ」
「スカイマークの姿勢については知ってますよ。とにかくダイヤを乱さないようにやってる。ダイヤを乱さないようにしていることで、格安でチケット提供できる元になってるから、とにかく格安にするために、迅速に移動するためにやってるのは分かってますよ。だけど、その前に座られてる間も、腹が立ってしょうがないの」
「とにかく恩恵に預かるわけにはいかないって思ってるから、安全ベルトをとり、2個のプリンを持ち、そのままずっと座ってるわけ。それがルールだから。お前らの言うルールだからって思うから、持ってるわけ」
「キャビンアテンダントが『お客さま、こちらに置いて結構ですから』って言うんですけど、『結構じゃないです。クレーマーとして処理をそういう風にされるように言われてるのは分かりますけど、僕は自分とクレーマーをはっきり分けてますので。これで恩恵に預かろうとは思いませんので。これはこれで結構です。ただ、その一番前の席に座った場合、冷凍食品や保冷剤の入ったものを持ち込んだ場合は、こういうことになります、ということを次から、カウンターで言っていただけるようにしていただきたい』って言ったんですよ」
「そしたら、『それは出来かねます』っていうのよ。もう…変な話だけど、ウソでも『上に提案します』って言えって思うわけ。『上に提案します』って言った以上、こっちも引き下がらざるをえないから。最悪、『提案ありました?』って電話をかける可能性もありますけどね、僕の場合は」
「『提案します』って言われた以上、僕は引っ込むしかないんだけど、それが『できません』って言われちゃうと、プリンは今は持つ、と。飛行機に乗ってる以上、プリンを持ってるわけ」
「もう言いたくないけど…保冷剤と冷凍食品がダメ、上に乗っけちゃダメだって言うんですけど、後ろのお客さんも水炊きの冷凍食品を入れてるんですよ。俺がそんじょそこらのクレーマーだったら、『アイツ、入れてんじゃん』って言いますよ。だけど、そこに関しては違うって思うから。俺が言っちゃって、アイツの水炊きまで騒ぎになると、アイツは水炊き持ってなきゃいけないわけじゃんか」
「それで1時間40分ずっと座ったままプリンを持ってて。前に対峙して座ってるから、狸寝入りするしかないわけ。狸寝入りしたまま、ずっとプリン 2 個持ってる気持ち(笑)」
「『俺の言ってること、間違ってるか?』と。俺の融通の効かなさはわかってるんですよ。隣の席に置いてくださいって言われて、『分かりました、ありがとうございます』って言って受けろっていうのは百も承知で、俺の育ち方が間違ったなって思うし、もっと社交性の高い人がやれるのは分かってるんだけど、そこが俺の中で全然納得いかないままでずっと時間が過ぎていって」
「そのままプリン持って帰ってくるんだけど…カミさんがきて、会って。『これ、プリン』って渡すときの顔がね(笑)普通、人がプリンをあげるときの顔って、そんなに怒ってないよね(笑)もうね、地獄のような顔で『これ、プリン』って渡してるんだけど。もうカミさんの中では、プリンくれる人の中でワーストの顔なワケ」
「自分の呪いを解くために、代々、持った人が死んでいくっていう呪いの人形を、嫌いでもない人にあげなきゃいけないような顔してるから。怨念のこもった顔してるから」
「俺はダイエット中だから食べないんだけど、カミさんがプリン食べてて。『アンタは食べないの?』って言われたけど、食べなかったら、『この後、動物病院のお友達に会うから、一個あ?げよ』って言うのね。『一個あ?げよ、じゃねぇよ。そんな思いで持ってきたプリンじゃねぇよ。地獄の業火に焼かれながら、俺のプライドの一番最後の小さい小さい小さいカスみたいなものを焼きつくし、微動だにせず狸寝入りをしたまま、目を深く閉じ、膝の上に乗せて持ってきたプリンだから、お前が食え、お前が食うしかねぇんだよ』みたいな(笑)これだけで長渕剛の『キャプテン・オブ・ザシップ』並の。『お前が食え、お前がプリンを食え、お前がプリンを食え』をずっと10何分歌えるくらいの怒りに満ちたプリンで」
「だってね、スカイマークの方がいたら聞きたいんですけど、大きな飛行機の中で、一番前の席に遭遇する人って、飛行機の構造上、6人ですよ。6人に座席のチケットを引き換えるときに、『足元に荷物を置けません』っていう手間はやってるわけですよ。そこに、もう一言、『さらに、保冷剤のあるものを上に置けませんので、そういうマイナス面はありますよ、保冷剤のあるものを買った場合は、持ってなきゃいけません』って言うだけのことじゃん。それを言うだけのことを出来ないが故に、『キャプテンオブザシップ』並の名曲が誕生しようとしている…ありがとうございます!」
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