10年以上前からイタリア南部のナポリおよび周辺部では、路上に多量の家庭ごみなどが放置され問題となっている。ナポリ周辺では以前から、ごみ処分場に関する問題が度重なっているが、最近になり更に増量、放置ごみは問題発生以来、最高の1万トン以上にのぼったという。
2年前にジョルジョ・ナポリターニ大統領は、巨額のお金をつぎ込み、一時的に処理したのだが、この問題は根深く、地元マフィア「カモラ」の介入によりさらに悪化しているという。
ごみビジネスの利権に目をつけたマフィアグループは、隅々まで組織網を張り巡らせているので問題の解決は一筋縄ではいかないそうだ。
ナポリおよびカンパニア州のごみ回収作業会社やごみ処理施設でマフィアが関与していないものはない。中には直接、マフィア組織が運営しているものもあるという。
元来、マフィアは麻薬密売を主な収益源としていた。しかし、1980年代頃からごみ関連ビジネスが麻薬密売に次ぐ収入源となり、この動きは1990年代に加速した。
競合他社を押しのけ、安全基準も無視する「エコマフィア」は、イタリア北部から船で搬送した産業廃棄物をナポリ周辺に不法投棄する。未分別の40万トン ものごみが大袋につめられ山積みとなっている。放置されたごみからは有害ガスも発生する事態となっている。こうした違法ごみビジネスにより、マフィアは年 間25億ユーロ(約4000億円)にも上る収益を得ているという。
今年9月には、ナポリ市郊外のごみ処理場付近で処理場拡張に反対する住民が収集車に放火、2台が全焼するという事件もあったそうだ。
http://karapaia.livedoor.biz/archives/51789718.html
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