人型の寝袋がある。普通の寝袋は、その名前の通り袋の形をしていて、入ると芋虫のようになってしまう。もちろん歩く事は出来ない。しかし人型寝袋は人型なので歩こうと思えば歩ける。
ヒューマノイドスリーピングバッグシリーズ
ある日、友人が人型寝袋を買って大変に良かったとTwitterで書いていたので、僕もすぐに買った。Amazonで6,000円しなかった。安いのだ。届いて早速入ってみる、いや、着てみると実に良かった。
今回は、人型寝袋がどれくらい良い物なのかをお伝えしたいと思います。主に自慢です。
(松本 圭司)
これがヒューマノイドスリーピングバッグだ 注文して2日後に到着。最近Amazonさんは注文してから届くまでがやたらと早い。プライムじゃなくても在庫があれば2日程度で届いてしまうのがすごい。 届いた人型寝袋は青くて未来的で格好良い。と、僕は思った。 |
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結構大きくて、全長2m,くらいです。フリーサイズとはいえかなり大きい。 |
着てみるとすごく暖かい スタッフバッグに入っていた人型寝袋、略して人袋を取り出して着てみるとこれが実に暖かいのだ。そりゃそうだ、寝袋だもの。しかも暖かいまま動ける。素晴らしい(※)。 ※・・・説明書には「これを着たまま歩くな」って書いてありました。なので、人袋を着て一歩でも歩いたらそこからは自己責任の世界です。以降、人袋の自慢が続きますが真似して歩いて怪我しても自己責任なのでご注意ください。 |
| スタッフバッグに入れると猫よりちょっと大きいくらい。長さで30cm。重さ1.3kgです。 |
| | 着るとこんな具合。大人の男性でも余裕があるサイズです。 |
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赤い線の部分が全部ファスナーになってます。ガバーっと開くので脱ぎ着は楽。 |
| 前面がファスナーで開くので脱ぎ着はしやすい。 |
| 細かい工夫がうれしい どうやって着るのかというと、上の写真の赤い線の部分が全部ファスナーになっているので、ガバッと開けて中に入ればいい。サイズもゆとりがあるので楽々着られる。 手の先はファスナーで閉じることも出来るし、開けて手を出すことも出来る。ドラえもんモードと人間モードを自由に切り替えられるのだ。便利。 |
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| 寝るときは閉じて保温性をアップ。 |
| | 手を使いたいときは開ければいい。内側からも外側からも開けやすい。 |
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| 地味に便利なお腹ポケット。 |
| お腹のトコにポケットがある まず色がドラえもんっぽし、手先を閉じた状態もドラえもんっぽいが、なんとお腹にはポケットが付いているのでますますドラえもんっぽい。四次元ポケットではないけれど、これが地味に便利だ。撮影中はカメラとかメモ帳を入れていた。 |
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| 僕の仕事机。台所の隅にあります。これを着れば全く寒くない。 |
| 家ではずっと着てます 人袋を買って以来、僕はずっと家で着ている。仕事は家でしているので、起きて布団を出たらすぐに人袋を装着。そのまま仕事を始める。どんなに寒い日でも暖房いらずだ。 これを買う前、1月は寒い日にエアコンやハロゲンヒーターを使っていたが、買って以降どちらも全く使わなくなってしまった。 1月の電気代は12,000円だったが、2月は6,000円だった。1ヶ月の電気代だけで人袋の代金を回収できてしまったのだ。エコロジーでエコノミーだ。 しかも、茶の間のエアコンをつけても僕がいる台所の隅まで温風がなかなか届かなくて寒かった。しかし人袋を着ればエアコン無しでもぬくぬくだ。 電気代が掛らない上に、それまで以上に暖かい!完璧と言っていい寒さソリューションである。もっと早く買っておくべきだった。 |
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| ハロゲンヒーターは必要なくなりました。 |
| | エアコンも全く使ってません。 |
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外に出てみよう さて、こんなに素晴らしい人袋なのだから外に着て行きたいし、外で寝てみたい。そこで、人袋を着てお出かけしてみることにしました(※)。 ※・・・書くの2回目ですが、歩いちゃダメな商品なので真似して外に出たりしないようにしてください。するなら自己責任で! |
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| 足が短いとは言え、かなり余る。 |
| ところで、足が結構余る この人袋は身長185cmまで対応出来る大きさなので、身長170cmの僕にはやや大きすぎる。普通に着ると足の部分が結構余ってしまうのだ。 だから歩くと、「殿中でござる!殿中でござる!」(忠臣蔵のワンシーン)みたいになってしまう。長袴っぽい。 それに、足先を出せないので靴を履けないから外に出られない。これは困った。が、実は足先だけ人袋の外に出す裏技があったのだ。 |
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| 足先だけ出た。なぜなら、スライダーが3つ付いてるから。 |
| あ、足先だけ出た この人袋は足先から肩までファスナーになっているのだけど、そこに3つスライダー(手で持って引っ張る部分)が付いている。だから、上の部分を閉じ まま足先の部分だけ開くことが出来るのだ。理屈判るだろうか?判らなくても困らないので判らなくてもそのまま読み進めてください。 さて、そうして足先だけ開けると左の写真のように足を出せる。しかし、見ての通り足を出せても、人袋の足先がダブダブと余ってしまっている。どうしたらいいか? |
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| サバゲー用具がこんなとこで役立つとは。 |
| バンドで止めてしまえばいい サバイバルゲームで、敵と味方を識別するために付けるマーカーというバンドがある。裏側が全体的にマジックテープ(ベルクロ)になっている。それを巻いて、人袋の余った足先を止めたら普通に歩けるようになった。 実は人袋の上位モデルは初めから足先だけ出す機能がある。しかし、下位モデルでも工夫すれば歩けるように出来るのだ。 さぁ、準備は整った。お出かけしよう。 |
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| 多分これ作った人も自転車に乗ることは考えてなかったはず。 |
| 自転車にも乗れる 足が出ればこっちのもんだ。靴を履いて外に出ることも出来る。歩く事はもちろん、自転車にだって乗れちゃう。 ずっと家の中でしか着てなかったので、外に出るのに少しだけ抵抗があったけど、こうして写真を見る限りわりと普通だなって思った。そんなに違和感がない。こういう人、普通にいる(いや、いない)。 |
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| サウナスーツ着て運動してる様にも見える。 |
| 残念なのはこの日は天気が良くて暖かかったことだ。この下は半袖のTシャツなのだけど、寒くないどころかむしろ暑い。もっと寒い日に撮影したかった。 |
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| 寝袋のままコンビニに行ける。便利。なんの違和感もない(いや、ある)。 |
| コンビニに寄った そういえばプロバイダの料金を払ってなかったので、コンビニに寄った。ネットを止められたら一大事だ。原稿を書いても入稿できなくなってしまう。 コンビニに入ると全然普通に接客してくれた。ジーンズのお尻のポケットに入れた財布を取り出すのがやや面倒だったが、問題ない。 田舎だとこういう奇行じみたことをすると、顔見知りの店員に事情聴取されてしまうところだ。東京は基本的に奇行の人は放っておかれるから楽だ。 |
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可愛いでしょ。 |
さて、このまま葛西臨海公園に出かけた。葛西臨海公園で人袋の「どこでも寝られる度」を測ってみたいと思う。測るっていうか、感想みたいなもんだけど。 |
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さて、海に着いた。宇宙人みたいな見た目だね。 |
| 足が必要以上に短く見えます。 |
| 裏側はこうなってます そう言えば裏側はあんまり見せてなかった。表側は青いけど、裏側はなぜか黒。後ろを向くと黒い人が現れる。 それにしても、表側から見ても裏側から見ても短足である。あまりの短さに嘆息してしまう程である。僕の足は短いとはいえ、ここまでは酷くないはずだ。 まるでジーンズを腰履きしてるBボーイみたいな短足具合だ。でもどうにも格好良くならないのはなんでだろう。青いからだろうか? |
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パパラパー、どーこーでーもーベッドー 人型寝袋なのだからどこでも寝られる点についても紹介したい。まずは椅子寝。葛西臨海公園には無料休憩所があって、しかもなぜか空いている事が多い。 ここが非常に寝やすかった。人袋のお陰で暖かいし、ソファーの柔らかさもちょうど良い。でも視線が気になったので外へ。 |
| 大胆にゴロリと。 |
| | 人目を気にして座った状態で。本気で寝られる。 |
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ベンチもベッドに早変わり 海風が吹く葛西臨海公園のベンチ。そこですら安眠出来てしまう。これが人袋の威力だ。しかし、どうも見た目が家なき子であることは否めない。 |
コンクリの上でも大丈夫 さらなる海っぺりで就寝。海際のコンクリの上でだって気兼ねなく寝られる。気兼ねがあるかどうかは個人差があるだろが、少なくとも僕は気兼ねない。 日が当たったコンクリは結構暖かいのでむしろベンチなどより心地いい。言ってみれば岩盤浴みたいなもんだ(ちがう)。 |
| 芝生の上で寝るのがこんなに気持ちEなんて。 |
| 芝生の上は最高だ 公園で寝るって言ったら芝生の上で寝なければなるまい。 普通はシートを敷いたり、服に芝生が付くのを気にしたりしなければならないところだが、人袋の生地は割とツルツルしているので芝生を気にする必要が全くない。 デーンと寝っ転がっても平気なのだ。フカフカの芝生が気持ちよく、空は青くて綺麗だった。 |
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| 寝転がって空を見るの何年ぶりだ。 |
| 寝転がって空を見上げるのは気持ちが良い。単なる青い空だけど、視線の先が無限に広いと言うだけで脳がパァーと開いていく感じがする。 思えば、子供の頃は寝転がって空を見るのが好きだった。でも、大人になると服が汚れるのを嫌がったりして、その辺に寝転がるのをやめた。そういうの気にし始めたのはいつだったろう。自分で服を洗い始めてからか? 青い空を見ながらそんな事を考えた。 |
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| 暑い時は上だけ脱げるのが便利。 |
| 暑ければ上半身だけ脱げばいい 葛西臨海公園にはガラス張りの展望レストハウス、「クリスタルビュー」という建物がある。ビニールハウスの様で、この中は真冬でも晴れていれば相当に暑くなる。なので、僕もやっぱり暑くなってしまって上半身だけ人袋を脱いだ。 構造としてはつなぎと同じなので、上半身部分を脱いで腕の部分を縛ってしまえば良い具合に涼しくなる。これは具合が良い。 暖かい!どこでも寝られる!工夫すれば(あと羞恥心を無くせば)外出も出来る!ちょっと暑い場合は上半身だけ脱げる!人型寝袋はなんて素晴らしいのだろう。これは全人類が買うべきだね。 と、ここまで人袋の良い面だけを紹介してきたが、実は弱点も多い。最後に人袋のダメな所を紹介したいと思います。 |
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東京湾を一望。「ふふふ、この世界は俺のものだ。」 |
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| 正直、縫製は悪い。 |
| 弱点1 縫製が悪い 1着6,000円しなかったという低価格なので仕方ないと思うけど、縫製が今ひとつで、1ヶ月ほど着ていたら糸がほつれたり縫い目が裂けてきたりした。個体差もあると思うが縫製が悪い。 右手が特にひどくて、ファスナーの端の縫い目が取れてスライダーが外れてしまったし、そのすぐ脇が裂けてしまった。無茶な使い方をした覚えはない(外出の撮影前に裂けてた)。 多少の破れは自分で直せるのでいいのだけど、もうちょいしっかり作ってくれたら良かった。 |
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| チェーンに触れてしまったらしい。 |
| 弱点2 自転車に乗ると裾が汚れる 弱点というか、そもそも着たまま歩くなっていう商品を着たまま自転車に乗ってる時点で僕が悪いのだけど、自転車に乗ったら裾がチェーンに触れてしまったらしく、汚れてしまった。 やっぱり人袋を着たまま自転車に乗るのは良くないようだ。 |
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| どうも飼い主と認識してくれない。 |
| 弱点3 なつめさんが逃げる 飼い猫のなつめさんは人見知りをするタイプなのだけど、普段は懐いてくるが人袋を着た僕が近づくと逃げてしまう。ガサガサ歩く音が恐いのか、青い人が飼い主と別人に見えるのか、ちょっと近づくと一目散に逃げていく。 でも、もう1匹いる飼い猫のじゃんけんさんは全然気にしない。猫の個性次第かもしれないが、人袋を着るとペットに嫌われてしまうかも知れない。 |
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| 抜け殻。 |
| 弱点4 トイレに行くときは脱がなきゃならない 当然と言えば当然だけど、トイレに行くときは完全に脱がないとならない。暖房のない部屋で人袋を脱ぐのは結構勇気が要る。っていうか、寒すぎる。 一時期、結構本気でチューブ+ペットボトルの排泄システムを作ろうかと思ったけど、そこまで人間性をアレしてもナニなのでやめました。 |
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| ウォークマンのCMを思い出す猿っぽさ。 |
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どう見ても猿の類です。 |
引用元: @nifty:デイリーポータルZ:人型寝袋が良い物すぎる.
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