農薬を使わない水耕栽培と光・温度・湿度を人工的に自動コントロールすることによって季節や天候に関係なく野菜をガンガン栽培できる「野菜工場」、実はその最先端を現在ひた走っているのは日本となっており、今回はその中でも最大規模の工場を誇る「ベジタス」が「FOODEX JAPAN 2011」にて、ありそうでなかったミニミニサイズの野菜工場を出展していたので、どのようなものか取材してみました。
完全密閉式の「完全人工光型」なので虫食いや細菌の心配がないため農薬はゼロ、洗わなくても食べることが可能で、栄養価も低くなく、えぐみがなくまろやか、柔らかくて食べやすいという工場野菜を作ることができる「野菜工場」の詳細は以下から。
これが本来は巨大な野菜工場を小さくコンパクトにした「VEGE LAB」
これはわかりやすく、右から順に左へ時間軸が流れるイメージ。種の状態から左端の収穫可能な状態になるまでは約40日ぐらいとのこと。
入り口は無菌室のようにエアシャワーなどが装備されているため、入れ替え作業時に内部に入る際に細菌の侵入を抑えています。
照明は蛍光灯を利用しており、LEDでない理由は照度コントロールが可能なことと、コスト。
外から見えるようになっているため、レストランで隣に併設して客から見えるようにするであるとか、そういうちょっとしたショーウインドウ的要素も。
これぐらいに育ったら完成。気候や天候に影響されることがないので安定した品質の野菜を入手できる、というわけ。
育てることが可能なのは基本的にこのページに掲載されているように、フリルレタス・モコレタス・シルクレタス・プリーツレタスなど。
通常の農地であれば土の面積が限られますが、野菜工場の場合はこのようにして上へ上へと積み重ねることが可能であるため、その収穫は露地栽培の約100倍にもなるとのこと。
気になるお値段は1000万円、以前はこれぐらいの小規模なミニサイズでも4000万円ぐらいしたそうなので、かなり安くなったということです。1日のランニングコストは照明や気温などのコントロールなどすべて含めて1500円。
これが管理画面。実際にもっと大規模な工場で使われているものはここに温度や湿度なども細かく表示されるそうです。
中にはもっと小さい「ベジタスmini」という食べきりサイズもあり、価格はわずか100円というワンコイン。露地物野菜よりも割高といわれてきた工場野菜が年間を通じてワンコインで買えるというのは工場野菜の歴史上初めてであり、かなり画期的だそうです。
2011/03/01 22:13追記
なお、現時点で作っているのはレタス類が多いわけですが、公式サイトの説明によると、現在日本全国の野菜工場では、様々な種類の野菜が栽培されています。代表的なものとして、レタスなどの葉もの類、トマト、イチゴ、イネなどがあげられます。今後は、花の栽培や製薬に活用できる植物の栽培が期待されています。
唯一野菜工場で栽培できない野菜の種類は、根野菜です。つまり、土の下で育つ野菜は、水耕栽培が主流である野菜工場では原理的に不可能だからです。言い換 えれば、野菜工場は土の上で育つ野菜や植物であれば原理的に栽培可能であり、それほど遠くない将来に、私たちが日頃目にする大部分の生産物を野菜工場で栽 培できる日が来ることになります。
作り立ての野菜を出荷できる野菜工場の技術は、世界からも注目されています。寒冷地が広がるロシアや、水資源が貴重な中東等では、生鮮野菜を求めても手に 入りにくいのが実情です。また農薬を使わない安全性という面でも、様々な地域に需要が予想されます。今後、生産拠点が世界に広がることで、その地域特有の ニーズに合わせた野菜が作られることとなるでしょう。
ということで、根野菜以外は大体栽培できるようです。
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