有事の際はこれを読もう。核が落ちてもさくらインターネットのサーバーはきっと落ちない。
同僚がグアムにいくというので、自身の知識再確認も含めて核爆発から身を守る方法について対応をまとめる。なお、私の知識は、「米陸軍サバイバル全書」の第23章「核・生物化学兵器から身を守る」のみであることに注意されたい。また、内容を転載するわけではなく自身で咀嚼した内容になっているため誤りが含まれる可能性もあり、また核爆発後のサバイバルに関しては、そもそも火の起こし方や水の濾過方法など、前提となる知識があるため、核だけを考慮しても生き残れない。なので、興味を持った方は原典を読むのをおすすめする。
核爆発前・直後当然ながら、核爆発直後に致命的となるエリアにいた場合、取れる対応は殆ど無い。核爆発により引き起こされる障害は
爆風障害
熱障害
放射線障害
の3種類あるが、攻撃目標・タイミング(火球が見えてからでは遅い)がわからない場合、取れる対応は少ないだろう。
ただし、もし、事前の警報があり少しでも対応が取れる場合には、掩蔽物に隠れることが重要である。これは、爆風や爆風により吹き飛ばされた物体を防ぎ、熱と光を遮断し、核爆発直後(1分間)の深刻な初期放射線を減らしてくれる可能性が高いからだ。隠れる場所は丈夫なコンクリート製の建築物がよいだろう。
ここまでで生きている場合生き残った場合、5分以内に放射線を遮ることの出来るシェルター(追記:後述するがこれは核シェルターに限らない)に入ることが重要になる。これは、高レベルで初期ガンマ線を放射する放射性降下物から身を守るためである。シェルターに入るのと入らないのとでは被曝量が全く異なるのである。原典でも強く書かれているので引用しておく。
目安として、5分以内にシェルターに入るのが生死を分けると知れ。早くシェルターをみつけること――これが絶対不可欠である。
P.273
その後の行動スケジュール核爆発後にどれくらい活動してよいかの目安については原典を引用する。なお、数値には余裕を持たせているとのこと。
核爆発後4〜6日間は完全に孤立化する。
3日目。水の調達のためにシェルターを出ても良いが、被爆時間は30分を超えないほうが良い。
7日目。1回の被爆時間は30分以内にする。
8日目。1回目の被爆時間は1時間以内にする。
9〜12日目。被爆時間を2〜4時間にする。
13日目以降。きちんと防御整備されたシェルター内で休養を取りながら通常作業を行って良い。
P.276
掩蔽性能、水分食料の備蓄を考えると、シェルターとしてホテルやショッピングモールを選択するのが最適なのではないかと思うが、人が集まると考えられるので、その分物資の減りが早いとも考えられる。難しい所である。
残留放射能対策さて、行動のタイムスケジュールがわかったが、その後生き延びていくための残留放射能対策を考えなければならない。残留放射能対策は、放射性下降物起因の体外放射能対策と体内放射能対策に分けられる。
体外放射能対策体外放射能対策として留意すべき変数としては、
時間
距離
シールド
の3点があげられる。時間は半減期、距離は距離による減衰、シールドはシールド材による減衰、を考慮する。ただし、放射性下降物が広い範囲に降っている場合には距離による減衰は期待できない、などはある。動く車があれば距離も稼げる可能性があるが、移動により被曝する可能性もあるし、現実的に考えてシールド、つまり十分な性能を発揮するシェルターを確保することが取りうる最大の防御となるだろう。
コンクリートの建築物以外にも、厚み1メートル以上の土砂で覆った地下式シェルターは放射性降下物に対して最高の防御になると書いてあるが、そんなものは当然無いだろうから、他に下記のようなものがシェルターになると掲げられているので、次善の策を取っていきたい。
厚み1メートル以上の地盤で覆われた洞穴やトンネル。
避難用または貯蔵用地下室
排水溝などの暗渠。
放置されたビルの1回または地下室。
石造りまたはレンガ造りの放置されたビル
P.275
身近にあるものを考えると、マンホールが簡単に空くのかどうか知らないけど、開けられればマンホールから地下に隠れるのが良いのかもしれない。(※追記:マンホールはそんなに簡単に開かないとのことです)その他シェルター地の選択と準備法などは原典に書かれているのでそちらを読むように。
また、シェルター内に放射性物質を持ち込まないようにシェルターに入る場合は、衣服を叩いたり振ったりして汚染を除去すること。髪の毛は沿ってしまうのが良いかもしれない。
体内放射能対策続いて放射性降下物を体内に取り込まないようにするための対策。ちなみに汚染された飲食物や傷から体内に入ったものが問題になり、呼吸によって体内にはいる放射性物質はさほど脅威にはならないとのこと。
水の調達水の調達の大前提、以下の点に留意するとして、
安全性が高い水源から水を得て、最低48時間待つと危険な放射能の摂取を大幅に減らせる
放射能に関係なく、サバイバル環境においては煮沸をするのが基本。有害な微生物などにより病気になったり、下痢をしたり、結果的に体力の低下や摂取した以上の水分を失うからだ。
水の調達方法は以下の通り。
泉、井戸、地下水源、打ち捨てられた家や店の排水管残留水
最も安全である。ただし、微生物に関しては注意が必要である
河川
核爆発後数日経過していれば、比較的問題ない
水源の脇に穴をほり、染み出し・沈殿用の穴をほって水を得ると放射能が除去できる
その後、降下物が入らないように穴に蓋などを設置しよう
湖、水たまり、池などの静水
基本的に汚染されている
浄化方法はある。バケツに汚染水を入れ、表面から10センチ程度の土を除去した下の土を水の中に入れ、かき混ぜる。その後6時間沈殿を待つと、土が放射性降下物を捕まえて沈むので、上澄みの水は清潔になる。その上で、濾過したり煮沸したりして飲料水とする
食料の調達動物性食物源
当然ながら動物も人間同様被曝している
病気に見える動物を食べてはいけない。被曝すると免疫力が低下するので、細菌感染の可能性が高い。最近に感染している肉は、火を通しても重篤な病気を招く
放射性降下物が体表に付着している可能性が高いので、注意深く皮を剥ぐ、骨格に放射能が蓄積されるので骨や関節付近の肉は3ミリ以上残して食べないようにする
海洋性動物は汚染されている可能性が非常に高い。緊急事態のみ食すように
全ての卵は安全に食べられる
動物の乳は汚染された草を食べることで汚染されているので飲まないようにする
植物性食物源
じゃがいも、蕪、人参、など根菜類は安全。念のため皮をこすり落として食べる。
バナナ、りんご、トマトなど表皮を洗ったり向いたりすると汚染を取り除けるものは安全
すべすべした表皮を持つ果物とざらついた表皮の果物は、洗った場合に取り除ける割合が大きく異る。すべすべした表皮の果物が良い
その他の野菜(例えばレタスなど)や果物は緊急時の食物とする
育成中の植物は土や葉を通じて放射性物質を吸収するので、緊急時以外は食さない
放射線障害について吐き気、下痢、嘔吐、疲労、衰弱、頭髪の抜けなどが発生するが、これは少量の被曝でも引き起こされる。パニック陥らないようにする
特に恐ろしいのは感染症なので、きっちり体を休めておくこと
まとめ例えば放射線障害について知っておくことで、むやみにパニックに陥らなくて済むし、「これくらいなら…」といった正常性バイアスからも逃れることが出来る。正しい状況認識を持ち、落ち着いて全ての知識を動員し、工夫し、生き残りのために行動しなければならない。生き残ろう!
via 核爆発から身を守る方法について.
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