滋賀県草津市の元建設請負業の男性が、発電機を回す時に生じる磁石の抵抗を大幅に軽減させる仕組みを発案し、解析した京都大准教授がこのほど学会で発表した。簡易な構造だが誰も試みなかった「コロンブスの卵」的発想で発電装置の簡略化が見込め、電気自動車や風力発電などへの応用に期待も高まっている。
同市平井5丁目、平松敬司さん(72)の連式発電機。永久磁石を用いた発電機は磁石を円盤に並べて相対させ、軸を回転させることで電気を発生させる。しかし、磁石同士が引き合う力が働くため、回転が重くなることが「宿命」だった。
平松さんは、4台以上の発電機を1本の軸でつなげ、各台の磁石の位置を軸から見て均等な角度でずらすことで、磁石が引き合う力を相殺させることを発案。モデルを試作したところ、発電機を増やすにつれ回転が軽くなることを確認した。国際特許を出願し、現在審査中だ。
平松さんは民間の試験機関に依頼して解析したデータを基に昨秋、京都大の中村武恒准教授(電気工学)に相談。中村准教授がコンピューターで解析したところ、発電機を8台並べると磁力の抵抗がほぼゼロになることが分かった。このほど茨城県つくば市で開かれた春季低温工学・超電導学会で発表した。
中村准教授によると、平松さんの発電機で生じる電気は波形がぶれず発熱ロスが少ないため、発電機の「弱点」ともいえる制御装置や廃熱装置が不要になることも見込める。低回転でも電気が取り出しやすいなど利点が多く、ハイブリッドカーや電気自動車の発電機をはじめ風力発電機などへの導入も期待される。すでに企業からの引き合いもあり、本格的な発電機を試作し、応用を検討する。
中村准教授は「目からウロコの発想だが、どうして今まで誰も気づかなかったのか。多分野への広がりが期待できそうだ」と驚き、平松さんは「自転車の発電機の抵抗を軽
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