ユニオンにクビを突っ込むようになって、それはまあヒデエ事例に遭遇してアゴがはずれそうになったりしておりますにゃ。あまりにもヒデエ事例についてちょい書いておきますかにゃー。
アジア某国出身のAさんは、ほぼ熊のごとき外見ですにゃ。身長190ほど、痩せた日本人♀の腰ほどもあるぶっとい腕でヒゲもじゃ。母国の高校をでた後ドイツの大学で経済学をおさめ*1、母国語・ドイツ語・英語・日本語はぺらぺらで、他にもスペイン語・ポルトガル語・朝鮮語も日常会話程度ならいけるようにゃんね。日本人♀とケコンし、永住権を持っておりますにゃー。
で、
まあいろいろとあって流れて日本に来たので、正規ルートでの日本の労働市場に入れず、某企業で荷揚げなどの肉体労働をしていたわけですにゃ。
で、何せすげえ身体してるんで、日本人の何人前にも働けるわけ。もともと五人ほどいた職場のAさん以外の人はどんどん雇止めなどでいなくなり(そもそもこれもスゲエんだが)、Aさんだけになったわけですにゃ。
で、
1日16時間労働で5人分の肉体労働な。
これができちゃう体力があんのよ。
1日16時間も働くと嫁が怒るので、「遊びに行ってくるヨ」といって家をでて会社にもどり働いていたとか。ちょい意味不明な感覚ではありますにゃ。揉め事になった後「なんでちゃんと言わなかった」と嫁に怒られたらしい。
上司はAさんにいったそうですにゃ。
「真面目にがんばれば正社員登用もあるぞ」
Aさんはこう考えていたそうですにゃ
「日本は世界ですごく成功した。アジアで一番だ。これは、日本人がウソをつかず、真面目に働いて助け合ってきたからに違いない。日本人は真面目にやる俺を見ているはずだ。日本人のいうことを信じてがんばろう」
荷揚げ作業中の労災でAさんは耳を打ち、頭痛で入院しますにゃ。もちろん本来は労災な。
入院療養中のAさんを会社側は呼び出す。
「忙しいから出てこい。でなきゃクビにするぞ」
Aさんはまたも1日16時間の労働を強要され、頭痛がひどくなり、結局は片耳が聞こえなくなってしまいましたにゃ。
Aさんが以前のように働けなくなると、会社側はAさんをクビにしてオシマイ、にしようとしたわけですにゃ。
ところが、Aさんの主治医が労災病院の先生もやっていて、このあたりの経緯を把握したうえでユニオンへの連絡をすすめてくれたわけ。しかも、労災申請について全面的にバックアップしてくれたわけにゃんな。
ユニオンのほうも火の玉のごとく怒り*2、結果的には労災認定と不当解雇の和解金をそれなりにとれたけどにゃ。まあ、Aさんも身体がもとにもどるわけでなし、今も仕事をさがしているようですけれどにゃ。
Aさんを特定できにゃーようにテキトーに書いたところもあるけど、基本的な経緯には誇張も何もナシ。僕の脚色では、こんなに労働法ガン無視どころか「てめえらの血は何色だー」なことは考えつかにゃーな。
Aさんは日本の労働法のことは何も知りませんでしたにゃ。ただただ日本が大好きで日本人がひどいことをするはずはないと信じていた。
そして
相手が労働法を知らず、しかもこちらを信じているとなると、企業はいかようにもヒデエことを平気でするわけだにゃ。1日16時間5人分の仕事 をさせて怪我をして労災療養中の労働者を呼び出して働かせ不調を訴えるとクビ、なんてのはマジにめまいがしますにゃー。これがホントだからすげえ。
外国人労働者がらみのケースは他にもいくつかあるけど、Aさんの事例は典型にゃんね。
無知と人の良さにつけこんで、徹底的に絞りとってポイ。
Aさんは永住権を持っていたから、まだ強気にでられたけどにゃ。騙されて絞りつくされたあげく、ポイされて泣き寝入りの外国人労働者はいくらでもいるってのは間違いにゃーところだろ。
移民に賛成とか反対とか、いろいろ考えるのはいいけどさ、こういう事例がいくらでもあるということは、みにゃさまも頭にいれておいてほしいのですにゃ。
「外国人に日本の税金を使うな」とかいう日本人様のお声が大きいようですにゃ。日本人様に生まれたのは、きっとなんかの特権なんだろね。Aさんのような外国人労働者ももちろん日本に納税しているけど、彼らにカネを使うなというんだよね。
こういう主張をするヒトたちは、まさか「正社員特権」「公務員特権」なんかを批判したりしてはいにゃーよね?
誰かの「特権」を批判するのも勝手にやってもらえばいいんだけどにゃ。カネもコネも才能もない僕のようなニンゲンが、本当の意味で自分を守るためには、Aさんのような人が安心して働けるような社会を作ることしかにゃーと思うのよ。とりあえず助けあうしかにゃーよな。
僕がユニオンにクビ突っ込んでいるのは、自分のためだし、ガキのためだにゃ。
今、Aさんは
「日本人も他の国の人と同じ。いい人も悪い人もいる」
といってますにゃ。
こんな目にあって日本人を嫌いになってねえんだから、まったくもって人が良い。
コメント