地震の揺れで建物が倒壊するのは1980年あたりの建築法が改正される前の築30年以上前の木造家屋が主なもの。
津波の被害があるのは沿岸部。
関東大震災や東京大空襲での死者の多くは火災によるもの。
ってことで住む場所を選べば、地震で怖いのは地震後の火災かなと。
戸田市の荒川沿いの団地みたいに大規模災害の火災時に建物自体が防火壁になって、その裏の河川敷に避難できるような場所が近所にあると安心。広場面積の広い公園とか。
東海から九州沖を震源域とする「南海トラフ巨大地震」について、中央防災会議の作業部会と内閣府の検討会が29日、被害想定や浸水域などを発表した。
関東から九州の太平洋側が最高34メートルの津波と震度7の激しい揺れに見舞われ、最悪のケースでは死者32万3000人、倒壊・焼失建物が238万6000棟に上り、1015平方キロが浸水する。
内閣府は「発生確率は極めて低く、対策を取れば被害を減らせる」として冷静に受け止めるよう強調している。
国や自治体は想定に基づいた防災対策を迫られる。
中川正春防災担当相は記者会見で南海トラフ巨大地震対策特別措置法を「制定していく」と明言し、来年の通常国会に法案を出す意向を示した。
駿河湾から九州沖に延びる浅い海溝・南海トラフ沿いで複数の震源域が連動してマグニチュード9級の地震が発生したと仮定。
被害想定は、駿河湾から九州沖までの四つの領域について、それぞれ最も大きく断層が動いた場合をシミュレーションした。
その上で発生の季節や時間帯を変え死者数96パターン、全壊棟数48パターンの想定を出した。
死者数が最悪となるのは冬の強い風(秒速8メートル)の深夜に駿河湾から紀伊半島沖の断層が大きく動くケース。
23万人が津波、8万2000人が建物倒壊、1万人が火災で死亡する。
都府県別では静岡県の10万9000人が最多。
負傷者は62万3000人で、建物の下敷きになるなど要救助者は33万人に上る。
一方、全壊・焼失棟数が最も多くなるのは四国沖−九州沖の断層が大きく動くケース。
深夜よりも火を使う夕方のほうが被害が大きく、揺れで134万6000棟が倒壊、火災で74万6000棟が焼失し、津波で15万4000棟が流失したり壊れたりする。
浸水域の最大想定は東日本大震災(561平方キロ)の約1.8倍。
県別では高知県の157.8平方キロ、市別では宮崎市の37.1平方キロが最も広く、高知県は深さ10メートル以上の浸水面積が最大で19.1平方キロに及んだ。
津波の高さは今年3月公表のデータを精査した結果、高知県の黒潮町と土佐清水市で最大34メートルなどとなった。
34.4メートルだった黒潮町は変化がなかったが、静岡県下田市のように約8メートル高くなり33メートルとなった所もある。
ただ、津波の最高地点は局所的である場合が多く、沿岸全域の平均では黒潮町の19メートルが最高。
また、震度7地域は従来とほぼ同じ10県151市町村だった。
防災対策による被害軽減も試算した。
建物の耐震化率が現状の79%から100%になった場合、建物倒壊による死者は約8割減少。
迅速に避難した場合の津波による死者も、そうでない場合と比べて最大で8割減った。
一方、最も被害が小さい場合でも、死者は東日本大震災を大きく上回る3万2000人、全壊・焼失棟数は94万棟。
中央防災会議が03年に出した東海・東南海・南海の3連動地震の想定は死者2万4700人、全壊棟数94万200棟だった。
中央防災会議の作業部会は秋ごろに同地震による経済被害やライフラインの被害、長周期地震動による影響、帰宅困難者の発生などを公表する。
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