日本の領域内に落ちる可能性が判明すれば、まずイージス艦が迎撃ミサイルSM3を発射。上空100キロ以上の大気圏外で破壊を試み、失敗した場合は7カ所に展開したPAC3で打ち落とす算段だ。発射から着弾までは約10分とされ、一連の決定はコンピューターによる解析、指示に頼る面が多い。
これまで米海軍はSM3による迎撃試験を18回行い、成功したのは15回。海自は4回中3回で成功している。
北朝鮮の「人工衛星」と称する長距離弾道ミサイルに対し、防衛省はイージス艦と地対空誘導弾パトリオット(PAC3)による2段構えの迎撃態勢で臨む。ただ日米のイージス艦が行った試験の成功率は約8割で完璧と言えないのも実情だ。
北朝鮮がミサイルを発射すると、最初に米軍の早期警戒衛星がキャッチする。点火した時点で熱源を探知、予想着弾地や時刻などの情報が在日米軍司令部などを経て、迎撃の指揮を執る航空自衛隊の航空総隊司令部や防衛省の中央指揮所などに伝達。今回は全国瞬時警報システム(Jアラート)を活用し、沖縄県内の自治体にも伝えられる。
次いで、一定の高度に達したミサイルは与座岳(沖縄県)や下甑島(鹿児島県)などにある最新型レーダー「FPS5」が捕捉。東シナ海と日本海に展開したイージス艦計3隻も追尾する。
ブースターから切り離された弾頭は、重力に従って落下するだけとなり、日本の領域内に落ちる可能性が判明すれば、まずイージス艦が迎撃ミサイルSM3を発射。上空100キロ以上の大気圏外で破壊を試み、失敗した場合は7カ所に展開したPAC3で打ち落とす算段だ。発射から着弾までは約10分とされ、一連の決定はコンピューターによる解析、指示に頼る面が多い。
これまで米海軍はSM3による迎撃試験を18回行い、成功したのは15回。海自は4回中3回で成功している。PAC3は空自が2回の試験をいずれも成功させたが、市街地で使用した場合に散乱する破片の影響は分かっていない。
防衛省幹部は「放物線を描く『まっとうな』弾道ミサイルなら高確率で撃ち落とせるだろうが、空中分解するようだと動きが不規則となり難しさが増す」と指摘。PAC3は石垣、宮古両島に配備されたが、射程が約20キロと短く、先島諸島には防護範囲から外れる島もある。
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