福島沖には驚くべき事実が隠されている ? 海洋汚染の実態 ニューヨーク・タイムズ

福島沖の海洋汚染 : 正常時1.5ベクレル → 事故後100,000ベクレル」

ニューヨークタイムズ 9月28日

事故から6ヵ月が経過した福島第一原子力発電所については、報道も少し下火になってきました。
しかし、海中の放射性物質のに関する科学的研究は、やっと実を結び始めたところです。

しかし、現地の状況は予断を許さない程悪いものです。
すでに報道されていますが、日本政府は原子力発電所近くで収穫されたコメの、放射線汚染濃度が上昇していることを確認しました。
警戒すべき放射線量はこれまで牛肉、ミルク、ホウレンソウ、そして茶葉から検出され、これまで製品の回収や移 送禁止の措置が取られてきました。

沖合では、早い段階に膨大な量の放射性物質が放出され、さらなる漏出も続いている可能性があります。
そして広範囲に汚染が広がっていくことよりも、一部のエリアに大量の放射性物質が蓄積されことの方が、今、懸念されています。

こうした汚染は原子炉を冷やすために使われた水、そして燃料プールからもたらされ、結果的に原子力発電所内のあらゆる汚染された物質を海洋に投棄することになりました。
さらに破損した原子炉から直接漏れ出したものが加わり、汚染の大部分を構成しています。

日本政府と電力業界関連の科学者は9月、地震・津波が発生した3月11日から5月後半までに海に流れ込んだセシウム137の総量は、3,500テラベクレルに上ると見積もりました。
それ以外さらに10,000テラベクレルのセシウム137が、原子力発電所から直接海洋に放出されています。

漏出は現在も続いているものと思われます。
9月20日に原発の管理者・東京電力は、1日あたり200?500トンの地下水が破損した原子炉とタービン建屋に注水のため使われ続けている、と語りました。

ウッズ・ホール海洋画像研究所の科学者ケン・ビュッセル研究員は1986年、 チェルノブイリの事故の際、黒海の調査を行いましたが、福島第一原子力発電所の事故による放射性物質の海洋流入はチェルノブイリよりもはるかに大規模なものだと語りました。
チェルノブイリの事故によって黒海に流入した放射線量は1立方メートルにつき1,000ベクレル程度で、1986年にピークに達したと、マサチューセッツ州のウッズ・ホール海洋画像研究所のオフィスのインタビューで語りました。
これと比較すると、4月初旬、福島県沖で計測された放射線量は、1立方メートルにつき100,000ベクレルに達した、と語りました。
事故以前の日本の沿岸部で計測された放射線量は、1立方メートルにつき1.5ベクレルであった、と明かしました。
「すべてにおいてチェルノブイリの事故は福島第一原子力発電所の事故の5倍の規模でしたが、海洋汚染に関してはチェルノブイリの方がはるかに小さなものです。」

東京大学とコロンビア大学を含む他の機関の科学者とともに調査を行い、6月、 ビュッセラー氏率いるウッズ・ホール研究グループは日本の東北地方沖で15日間を過ごしました。
そして、この地域における放射性物質の拡散状況と海洋生物に対する影響について調査しました。

プロジェクトは日本政府が資金の拠出を拒否した後、ムーア財団によって後援され、7月まで日本の調査船からサンプルを受け取り続けました。

〈 国民と国土を守るためには科学的検証こそ必要なのに、政治と商売ばかり気にする日本政府 〉?

「福島第一原発沖合の海洋汚染状況がなぜそれほどひどいのか、という事実も含め、さらなる海洋調査が緊急に必要」

ニューヨークタイムズ 9月28日

東京大学とコロンビア大学を含む他の機関の科学者とともに調査を行い、6月、 ビュッセラー氏率いるウッズ・ホール研究グループは日本の東北地方沖で15日間を過ごしました。
そして、この地域における放射性物質の拡散状況と海洋生物に対する影響について調査しました。

プロジェクトは日本政府が資金の拠出を拒否した後、ムーア財団によって後援され、7月まで日本の調査船からサンプルを受け取り続けました。

ビュッセラー氏は分析が完了し報告書が公刊される前に、調査結果の詳細を明らかにすることは拒否しましたが、 幅広い深刻な影響がみられると語りました。
「私たちが数字を確かめたとき、数億ベクレルという値ですが、これはかつてない規模の海洋汚染であることがわかりました。」
「どれほどの汚染規模なのか、見当がつきません。」
ビュッセラー氏は5ガロンの海水を分析しましたが、自然界に存在する核物質、および核兵器の実験による核物質を取り除いた上で計測を行いました。

ビュッセラー氏は放射線が海流によって拡散されたせいで、2、3ヵ月の間に海洋の放射線濃度が著しく低下したと考えています。
「汚染に対する海の解決方法は、希釈なのです。」
幸いなことに、沖合20マイルから400マイル(50?1,000km)の間の沖合の放射線量は、直ちに人間の健康に影響を与える程のレベルではないことを、研究者たちが確認しました。
しかし、歓迎されざる驚きもありました。
「観測を始めた4月初旬から7月下旬にかけては、放射線量はゼロに向かって下がるのではなく、逆に一立方メートル当たり10,000ベクレルの値まで上昇し続けたのです。」
「この事実はこの時点まで、放射能漏れの問題が解決していなかったことを示すものです。」
「このことによって得られる仮説は、海岸近くに存在する沈殿した放射性物質と汚染水が海を汚染し続けている、ということです。」

国際チームも研究のため、プランクトンと小魚のサンプルを収集しました。
ビュッセラー氏は最も大きな懸念は、食物連鎖における放射性物質の凝縮、特に福島第一原子力発電所近くの海草と数種の甲殻類にある、と語りました。

商業用に漁獲される魚類への影響については、これから後の数年間にわたる海洋中の食物連鎖についての検証が、何回もなされた後でなければ、完全な解明はできない、とも語りました。
「私たちは地層堆積物にどれほど放射性物質が集中しているか検証できません、そのため海底生物の被ばく線量が高くなっていて、それが人間の食用に具される場合、懸念が生じます。」
ビュッセラー氏は電子メールの後半、海底生物について言及した部分にこう書いています。

研究はまた、最も高濃度のセシウム汚染を確認するのに、福島に最も近い場所のサンプルにこだわる必要のないことを明らかにしました。
数箇所で、沖合の海流が放射性物質の希釈を妨げる働きのあることが判明したからです。

「今回の調査結果は、先に行われた日本の科学者による解明結果と、全体的には一致していました。」
とビュッセラー氏は語ります。
「しかし、福島第一原子力発電所沖合の海洋汚染状況がなぜそれほどひどいのか、という事実も含め、さらなる海洋調査が緊急に必要です。」
「日本の調査は全体をリードしていますが、どの国よりも、どの調査機関よりも、もっと多くの調査を行うべきなのは日本です。
そうすることで、状況が明らかになるのです。」

引用元: 【 福島沖には驚くべき事実が隠されている ? 海洋汚染の実態〈前編〉 】 | 星の金貨 再出発はどこから? : 東日本大震災.

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