図を見て分かるように、新ホワイトプランの2年縛りと月月割のタイミングはズレている。ここが新ホワイトプランの落とし穴なのだ。もし、契約から2年ほど経過した時点でソフトバンク自体を解約しようと思った場合、以下のような負担増が発生してしまう。
▼(A)25カ月目
2年に1度の更新月なので、新ホワイトプランの契約解除料はかからない。だが、端末の月月割が2カ月分消滅するので負担がアップする(iPhone 3GS(32GB)の場合は3840円の負担増)。
▼(B)26カ月目
新ホワイトプランの基本料が無料になる。だが、新ホワイトプランの契約解除料が9975円発生する。さらに、端末の月月割が1カ月分消滅するので負担がアップする(iPhone 3GS(32GB)モデルの場合は1920円の負担増)
▼(C)27カ月目
新ホワイトプランの基本料が無料になる。だが、新ホワイトプランの契約解除料が9975円発生する。端末の月月割は終了しているので関係なし。
▼(D)28〜48カ月目
新ホワイトプランの契約解除料が9975円発生する。端末の月月割は終了しているので関係なし。
AからDまで、どの時期でも何らかの負担が発生してしまう。まったくの負担ゼロで解約するには、なんと4年後の「49カ月目」をピッタリ狙わなければいけないことになる。あまり現実的とはいえない。
もっとも、ソフトバンクの契約を解約しなければ関係ないので、該当するユーザーはそれほど多くないだろう。だが、実際に解約することになった場合、この ような契約を覚えている人がどれだけいるだろうか? 解約する時に多額の負担が発生し、イヤな思いをすることは間違いない。
2007年1月、ホワイトプランを発表するソフトバンクの孫社長
筆者が残念に思うのは、ホワイトプランのシンプルさが失われてしまったことだ。当初、孫社長がホワイトプランを発表した時は「ホワイトプランには※印な どの付帯条件は一切ない。誰でも加入していただける」と発表会で語っていた。当初のソフトバンクは2年縛りという手法を使わず、他社の2年縛り付きの割引 サービスを批判する姿勢を取ったこともある。
だが、少し前から風向きが変わってきた。2年縛りを付ける代わりに端末を格安にする「スマート一括」を導入したり、iPhoneなどのパケット定額で2 年縛りを条件にして定額料金を下げるなどの手法を採用し始めた。ホワイトプランなどの基本料を月月割の対象外にするなど、ユーザーにとって不利な料金改定 を進めている。
今回のホワイトプランの変更は、その最たるものといえそうだ。基本料そのものが2年縛りとなったことにより、心理的な負担が大きくなる。何らかの事情で解約せざるを得なくなった場合には金銭的な負担も発生する。
ビジネスの手法としては理解できる。安い価格でユーザー数を増やしてから、コストを吸収するために徐々に値上げをするのは、特にネット関連のビジネスで は常識ともいえる。だが、ユーザー目線で見ると“改悪”にしか見えないのは事実だ。今回の新ホワイトプランへのユーザーの反応が気になるところだ。
間もなく、旧ホワイトプランへの加入はできなくなる。すでに旧ホワイトプランを使っている人は、そのまま継続することを薦めたい。2カ月間ホワイトプラ ンの基本料が無料になる特典を考えると、永遠にソフトバンクを使い続けるという人ならば切り替えた方がおトクになるが、そうでないならば縛りのない旧ホワ イトプランを続けた方が結果的にトクするだろう。
引用元: ソフトバンクの新ホワイトプランが“改悪”にしか見えない理由 – デジタル – 日経トレンディネット.
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